今週と来週は新作のリネンリブニッカボッカパンツを発表したSTEMDESIGNのデザイナーの栃原拓士さんへのインタビューをお送りします。
まず今週は発表されたリネンリブニッカボッカパンツについてお聞きしました。
Q:このパンツは素材にリネン(麻)を100%使用しています。そもそもリネンはヨーロッパでは古くから重宝されていたということですが。。
A:ヨーロッパにおいては、その長い歴史の中で、リネン文化といわれるものがあります。例えば、「ホームリネン」といえば シーツ、ピロケース、パジャマ、バスタオルなどを指し、「テーブル リネン」といえば、テーブルクロス、ナプキンなどを指します。このように リネンは、豊かな心地よいライフスタイルに欠かせないものとして、生活に密着しているのです。 これは リネンが数々の素晴らしい魅力を備えた珠玉の天然繊維だからです。
Q:その魅力について教えていただけますか。
A:まず リネンは、肌にやさしく、サラッとして、爽やかな涼感があるのが大きな特性です。それは、コットンやシルクに比べ、吸水・発散性に優れているため、水分や汗をすばやく吸い取り、かつ発散させるからです。
2番目はタフで清潔さを保つこと。 リネンは天然素材の中で、最も汚れが落ちやすく、洗濯にも強い素材です。繰り返し洗うごとに柔らかさはいっそう増し、白いものはさらに白くなります。 世界の一流ホテルがベッド回りやテーブル回り、バス回り等にリネンを使用する理由がここにあります。
3番目は肌や心に優しい素材であること。 リネンの繊維にはペクチンが含まれているため、触れてもチクチクせず、つねにソフトなので、お肌にそっと当ててみたくなります。 夏には、汗をすばやく吸い取ってくれるので、身体はいつも爽やかで清涼感に包まれます。さらに防カビ性に優れ、雑菌の繁殖を抑制するため、臭いも抑えます。
Q:それは夏には汗ばみやすいパンツの素材としてはありがたいですね。ちなみに秋以降の季節に着まわすことも出来るのですか。
A:リネンは繊維の中に空気が含まれていて、天然のサーモスタットの役目を果たしてくれるので、寒い季節には暖かく包み込んでくれます。リネンはオールシーズンに適した繊維なのです。
Q:なるほど、では今回はクラシカルな雰囲気を持つこの生地をいかにパンツとしてこなれたものにするかがテーマだったわけですね。
A:その通りです。一番の特徴はウエストのリブ編みニットと平ゴムだと思いますが、これによって前傾姿勢になっても 腹部囲を締め付けないので快適性と機能性を両立させられたと思います。
Q:リネンというと渋いというイメージが浮かびますが、リブがついたことでパッチリした表情になりましたね。それと股下のマチも特徴的ですね。
A:今回股下のパターン設計には特に工夫をして サドルに縫い目が当たらず、足の可動域が広がっています。そしてのマチの生地を二重にした事で生地パンクにも柔軟に対応にして3拍子そろったタフな仕上がりになりました。
Q:マチが大きくて開脚抜群なパンツはたいがいお尻や腿がもっさりしてるものですが、このパンツはすっきりして見えます。
A:ラインをきれいに出すためにマチの形状をちょっと変わった形にしてあります。
Q:おお、さすがはSTEMDESIGN。いつもながら運動性能と上品さのバランスの追求度合いがすごいです。
ということで来週もまたよろしくお願いします。
A:こちらこそよろしくお願いします。
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