今週は新しく発刊された2つのフリーペーパー『document』および 『voice from VISIONAIR』を御紹介します。 この2紙は同じところから発刊されており、発行人のOshimaさんに取材をしました。
フリーペーパーはサブカルチャーを感じとるためには欠かせないメディアだと思いますが、2000年代を通してさまざまなカルチャーシーンが成熟していく中で、新たなムーブメントは生まれにくくなっている側面もあるので、期待をしたいと思います。
◎Oshimaさんの自己紹介をこめて普段どんな活動をされているのか教えていただけますか。
Oshima:はじめまして、BROS WEAR DESIGNというブランドのグラフィックデザイナーのOshima です。
自分が代表をつとめています、VisionAirというスタジオ兼ラボに缶詰め状 態の日々を送っています。
普段は完全にグラフィック/アートワークの制作がメイ ンですね、ちょうど今は夏と秋にリリースされるCDアルバムのアートワークを手掛けています。
同時に自分のブランドのモチーフとなるラインアートも制作しています。
去年の秋からは、NAGISA MUSIC FESTIVALのオフィシャルT-SHIRTSも自分のブラン ドとコラボレーションという形でやっています。
すごく大きく分けて考えると、誰 かとのコラボレーションワークなのか、セルフディレクションワークなのかのどちら かなんですが、なんにしても毎日Macitoshの前に根が生えてるような感じです(笑)
◎Oshimaさんは最近2つのフリーペーパーをほぼ同時に創刊されたのですが、それぞれ どんな内容なのか教えていただけますか。
Oshima:まずひとつ目ですが、『voice from VISIONAIR』というフリーマガジンでは、自分とアーティストの方がトークセッションするという形で、フューチャーしたアーティストの方のアナザーサイドをピックアップしています。
もともと自分が親交のあっ たBREAK BEATSやELECTRONICAなどのシーンで活躍されているアーティストの人達の素顔って、意外と知られていないんじゃないかなって思いまして。
今までもアーティ ストの方にかなりプライベートな形でのウェアサポートとかは行なっていましたが、 自分のブランドを通じてもっと踏み込んだダイレクトな形のサポートが出来ればと思っ
てスタートしたんです。
そもそも自分は12年程前からクラブカルチャーと関わるよ うになって、その途中からグラフィックデザインを始めたんですが、クラブカルチャー独特の価値観が、日本のアート/デザインのシーンではまだ受け入れてられていない 部分もあるんだなって思っていたんですね。
でも『voice from VISIONAIR』をスター トしたことによって、自分の中でクラブカルチャーとアート/デザインのシーンとの接点がセパレートされたような感じになったんです。
Oshima:そこで前からの知り合いの方達に協力していただいて、TOKYOのアート/デザインのシーンの活性化に繋がるようなフリーペーパー『document』も立ち上げたんです。
こちらは発想としては『入れ物』 を作るみたいな感じでしょうか。
ページをめくる度に、まったく違った視点からの アートやデザインの情報が入ってくるんです。
ハイアートから手作りのハンドクラ フトまで、全てがフラットな目線で語られてもいいと思っていたので、色んなタイアッ プページをコンパイルする形でそれが実現しつつある状況にすごく満足しています。
今年の3月に『document』のプレリリース版が出て、その一ヶ月後に『voice from VISIONAIR』のvol.1が出たんですが、構想が最初に生まれたのは『document』の方が先だったんですよ。
今はディレクションも方向性も異なる二つの媒体を発信するこ とで、ようやく自分の中のバランスが良くなった気がしています。
◎2つのフリーペーパーとご自身のブランドというマルチなアウトプットのメディア をもたれたわけですが、これによってOshimaさんご自身が2010年代にむけて描かれている抱負があればお聞かせください。
Oshima:今回のほぼ同時に二つのメディアをリリースするといった動きの発端には、自分のブ ランドの全面的なリニューアルがきっかけとなっているんです。
これまでに蓄積し た様々な経験やノウハウを元に、ゼロの地点に立ち戻ってTOKYOをベースに初心に帰ろう、っていう想いが強くありました。
今まではクラブカルチャーのシーンとアー ト・デザインのシーンへ一つのプロジェクトで何とかアウトプットしようとしていたんですが、それぞれの明確な方向性をキープすることで、自分の中で混然としていた表現や訴求手段がよりシンプルになって、前よりもディレクションしやすくなったん です。
Oshima:音楽とアートとファッションって、ライフスタイルの一部ですよね。
アウ トプットメソッドを多方面にしたことで、もっと自分自身の生き方やビジョンに忠実 に発信していけるようになっていくんじゃないかなって思っています。
抱負らしい ものは漠然としていますが、ブランドの新しいシーズンのテーマにも掲げています 『VisionAir』というキーワードを今後の指針としています。
これはかなり要約し てしまっていますが、想いや気持ちを発信し続けるという意味合いを含んでいます。
発信していく為には、まずは『伝わる形』を形成しなくてはいけないと思うんです。
常にオンタイムで進んでいく時代の中で、周りの人達と一緒に何かを残して繋いで いけたらと思っています。
来年の春先には、リニューアルしたBROS WEAR DESIGNの 新しいラインナップもリリースしていきますので、御期待下さい!!
◎どうもありがとうございました。
このフリーペーパーは店頭で入手できるほか、オンラインショップでお買い物をされた方には無料で差し上げていますので、メッセージ欄に「フリーペーパー希望」とお書き添えくださいね。
最近のコメント