今週は最新号(写真下)が発売になったばかりの「Bicycle Magazine」をお店でも取り扱うことになりましたのでご紹介します。
Bicycle Magazineは毎回独自の視点で自転車の楽しみ方を提案しています。
そして編集長の石川望さんはカメラマンとしてもとても素敵な写真を撮られていて、それらの写真を展示した、BICYCLEMAGAZINE主催の写真展を開かれたりもしています。
独自の編集内容と風を感じるような写真の数々、これらが自然に溶け込んで提案される「自転車のある生活」はコネクテッドとしてもとても共感するところで皆様にも是非御覧いただきたいと思います。
そんなことで石川さんにインタビューをお願いしました。
◎バイシクルマガジンはいつ頃始められたのですか。そのときの想いを聞かせていただけたらと思います。
石川:2007年4月20日に第一号をリリースしました。想いというよりは、それまで編集に関わっていた“MTB MAGAZINE”というマウンテンバイクの専門誌が休刊することになり、それを期に、今までやってみたかったジャンル(自転車以外)の雑誌の編集に関わろうかと考えていたのですが、MTBMAGAZINEを作っていたときに、“マウンテンバイク”というくくりのために、出来なかった記事やアイディアなどが、自分の中で結構な企画数がストックされていたので、それを放出して、いろんな人に自転車の魅力や遊び方を伝えてから、他ジャンルの雑誌編集に関わればよいかな、といったことを考えて、今の雑誌を創刊することになりました。ちなみに、“BICYCLE MAGAZINE”というタイトルですが、タイトルに縛られずに、幅広い提案ができる雑誌になればと思いまして、そのような曖昧なタイトルになっています。なので、何の自転車のジャンルの本ですか? と、聞かれることが多々あるのですが、決まったジャンルは特にありません、と答えることしかできません……。
◎不思議なお話ですね。マウンテンバイクというくくりの雑誌が休刊になったのに、バイシクルマガジンのほうが今熱く支持されている、ということは、みんなもっと自由な自転車の楽しみ方に興味が向いているのかもしれないですね。石川さん自身はどんな風に自転車を楽しんでおられるのですか?
石川:自転車は通勤や仕事の移動で使用しているのですが、それだけでも、そこそこ良いリフレッシュになるので、割と身近なことで充分に楽しめています。そんな通勤の自転車ですが、平日に友人の間でメールがまわり、突然、夜の多摩川の河川敷ダートを走ったりするので、MTBもしくはダートも走れる自転車に乗ることが多いです。あまり構えず、突然走りに行ってしまおう、といったことができてしまう気楽さが気に入っています。週末も多摩川ダートに行くことが多いですが、時々、輪行またはクルマで自転車を運び、遠方の山のシングルトラックを走りに行きます。基本は、おいしい食べ物や、まだ見ぬ景色に出会うことが一番の目的であって、自転車はそこに連れて行ってくれる、単なる道具です。
◎ああ、いいですね。先日石川さんの写真展(写真下)にお伺いして、写真の世界観もまさにそんな感じだと思いました。普段写真に対してはどんなことを心がけていらっしゃるのですか?
石川:実は、写真家という自覚がほとんどありません。リアルに行程を追っかけるような取材が多い弊誌の特性上、取材(撮影)をするのに自転車で移動しなくてはならないという状況が多いため、そんな撮影を引き受けてくれるフォトグラファーがあまりいないので、結果、自分が撮ることになってしまうことが多いです。撮るときに考えていることは、この場面をどう撮ればレイアウト(デザイン)しやすいか、斬新な誌面になるか、読者に的確に伝えられるか、ということをアタマの中で誌面のラフを思い浮かべながら撮っていることが多いです。それと取材の際は、前後左右をきょろきょろして、撮りたいものや被写体のベストな瞬間を見つけ、誰よりもチャンスを逃さないように心がけています。なので撮影枚数は異常に多いです。特にデジタルカメラになってからは現像代を気にしなくなったので、一日に2000枚以上撮ってしまうこともよくあります。弊誌の取材では、取材自体が楽しく進行していることが多いので、その流れに乗って写真を撮っていけば、誌面に使えるような写真が自然と撮れています。なのでどちらかというと、撮ることより取材の流れに気を配っています。ちなみに最近の一眼レフカメラはとっても優秀なので、自分はそんな流れに乗りながらシャッターを押すだけで何とかなっています。 しいていえば、撮影のテクニックで気にしていることは、被写界深度をコントロールして、撮りたいものをはっきりみせるような写真にしたり、または想像できるように曖昧に撮る、といったことは、誌面を思い浮かべることと、被写体をベストに見せるということを考えたうえで実行しています。
◎なるほど、まさにそれは仕事と遊びが渾然一体となった流れの中でクリエイティビティを発揮する達人の域ですね。 取材の流れに気を配っているという点では、毎回特集の組み方が自由で面白いと思うのですが、最新号の中身をほんの少し教えてください。
石川:最初に書かせていただいたように、MTB MAGAZINEの際に出来なかった企画がストックされていたこともあり、弊誌の特集テーマは10号先までリストアップされています。(!!)それらを、ちょっとだけ時代や時期にあわせて前後させて、展開するテーマをセレクトしています。現在、制作している8月20日発売予定の弊誌14号は、“ROADBIKE(ロードバイク)が特集テーマです。このテーマは来年の4月20日発売号で展開する予定だったのですが、現在の状況などを考えた結果、大幅に繰り上げてしまいました。現在、“ロードバイク”、と思い浮かべると、レース、アスリート、トレーニング、といった意味合いが強いのですが、街をみると、普段着で気楽に乗っている人を結構見かけることができます。 軽く速く走れることができ、トラックバイクと比べても変速ギアも付いているので、普段の生活にも取り入れやすい自転車のいちジャンルだと弊誌では考えています。“ロード=ハイスペックバイク”、ということよりは、ライフスタイルバイクに、ロードバイクはいかがですか? といった提案や様々なレポートを行っていきたいと考えています。ちなみに、手に入れやすい価格帯のロードバイクは、比較的に楽なポジションで乗ることができたり、リアキャリアが取り付けが可能だったりと、コミューターバイクとして考えると、とても魅力的な装備がなされています。これまでいろんな雑誌などでハイエンド、レーシーな面はたくさん伝えられていますが、こういったことは意外に知られていなかったりします。なので弊誌のロードバイク特集では、本気なロードバイクテイストを想像してしまうと、もの足りないかもしれませんが、ロードバイクを使うことで、どのように生活が広がるか、楽しめるかということを、身近なところから提案していく予定ですので、ロードバイクの新たな魅力を発見できるかもしれません。今までロードバイクが遠い存在と感じていた人も、弊誌を見ていただければ、それらが身近な存在になると思いますので、8月20日の発売日はどうか宜しくお願いいたします。
◎またまた濃い内容になりそうで楽しみです。ありがとうございます。
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