最近は気温も徐々にあがってきて、明日は雨らしいですけど季節的にはもう全然春な感じになってきてうれしい限りですね。
今週は以前から紹介したいと思っていてタイミングを逸していた映画について書きたいと思います。
それはフリーペーパーの88がプロデュースしていて、最新号でも特集記事が組まれている「心~くくる~」という作品です。
この映画は、沖縄本島北部の原生林が生い茂る地帯「やんばるの森」が舞台。
ここにアメリカ軍のヘリコプターの演習場「ヘリパット」が住民との意見交換がないまま森を切り開いて建設されようとしています。
そこで住民達は建設に反対する会を結成して、工事を阻止するため予定地に座り込み運動を開始しました。
このプロジェクトが「Save Yanbaru」です。
この映画は、このことを知ったアーティストのUAが住民達にエールを送るためにおこなった現地でのフリーライブの模様をおさめたドキュメンタリーフィルムです。
ライブが行われたのは2007年の10月31日。
やんばるの森に300人のオーディエンスを集めて行われました。
このように概略を紹介すると、もしかして抵抗感を感じる方もいらっしゃるかと思いますが、映画の大半はUAの感性がほとばしるようなライブで、おきていることの事実関係はむしろ淡々と語られ、映画全体を覆っているのは自然と自由を愛する人たちのポジティブなエネルギーです。
ライブで、歌われているのは地球環境に関してUAが感じていることをモチーフにしたアルバム「ゴールデングリーン」からの曲が中心。
曲の進行やUAのMCは夜のジャングルの夢先案内人のようで深い深い闇を見わたした上で、一筋の光を見出していこうとします。
そして運動の中心人物たちとステージで円陣を組んで座り込んで本音トークの場面を迎えることになり会場の熱気はピークに向っていきます。
監督は金森太郎、デビュー作は「チベットチベット」というロードムーヴィーで、自身がチベットへ放浪の旅にでてダライラマに遭遇するという類まれな経験をおさめたドキュメンタリーをとっている人です。
プロデューサーは普段はフリーペーパー「LJ」の編集長として日本に数多くのジャムバンドを紹介し続けている菊池崇さん。
この映画のユニークな点は、作品のDVDが88の配布店に一本ずつフリーで配られ、配布店が自主的に上映会を開くことによってのみ人の目に触れていくという、完璧に自由意志による広がりに全てがゆだねられている点です。
上映会が決まると88のウエブサイトで告知されて輪が広がっていきます。
実はこれがいまとても反響を呼んでいて、2月中旬くらいから始まったばかりなのにもう30回を越えるスケジュールが発表されているのです。
今回のこの記事を書いているのも、本当はコネクテッドでも上映会を開きたかったのですが、プロジェクターなどの設置に問題があり他の場所での上映を企画中なので、まずは映画の紹介だけでも早めにと思って書いています。
もし、今発表されているスケジュールでタイミングが会えばみなさん御覧になることをおすすめします。
上映は全国各地で行われています。
今は世の中難しいことだらけで、いろんな方面で行き詰ることも多いと思うんですけど、この映画を見ると難しいことに直面した人たちがいかに人とつながって希望を見出していくかが、実になまなましく描かれていて元気が沸いてくるんです。
プロデューサーの菊池さんは古い友人で、先日いきさつを聞いたのですが、、やはりUA自身がこの映画を世に出したいという強い意志があって物事は進んだそうです。
でなければメジャーで活動するアーティストのライブがフリーで世にでることなんてありえないことですから。
でも素敵なことだと思いませんか?
この映画が広まっていくとしたら、見た人が本音で共感した何よりの証になるわけで、フリーで感動を味わうことによってこの問題を人に伝えていこうとしているわけですから、ものすごくフェアで夢にあふれたな提案だと思うのです。
コネクテッドでも上映会を企画中ですので決まったらまた告知させていただきます。
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