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さてさて、そんなわけで今週は新規取り扱いブランドとしてビジブルエレファントをご紹介申し上げます。ビジブルエレファントは、私的には一言でいうとグラフィックとウエアのからみ方が常に刺激的なブランドなのじゃないかと思うのですが、今日はそのあたりのことをブランドの紹介を兼ねて取材してみました。
コネクテッド:棟朝
VE-47デザイナー:CHICHI(CURVED FUNCTION)
VE-47企画・営業:Y(SWITCHER)
◎ブランドを立ち上げたきっかけを教えていただけますか。
(CHICHI・Y) まず初めに、皆さんこんにちわぁ!
(CHICHI) VE-47を立ち上げたきっかけですが、それはMACとの出会いです。私はもともとアクリル絵の具出身の手描きのペインターだったのですが、ある日、なんの知識ももたずに興味本意でMACを購入してしまいました。私は完全無欠のアナログ人間なので、コンピュータの事は今も昔もド素人。 MACさえあれば、簡単にかっこいい物が創れるのかなぁ~~と。。。。。(笑)
とりあえず購入してみたものの、コンピューターは全然楽しくなくて。。。。
そんな時に友人が『これ、やれば?』と勧めてくれたのがAdobeのIllustratorでした。
いじりだしたら楽しくてねぇ~~~(笑)
8年間のNEWYORK生活もなんだかダラダラ気分で、ビザの関係もあり、あと2年で日本に帰国する事をほぼ心の中で決めていたので、 N・Y生活最後にこれ使ってなにかやれないかなぁ~~と。。。。
それがVE-47です。
ちなみにVE-47の47とは、その当時の仲間とやっていたビジネスの本拠地がN・Yの47STにあったからです。
(Y) 私はCHICHIに単純に誘われまして。。。。CHICHIが我がままなんで、みんな逃げちやって。。。。 残ったのは私独り。。。(笑)。
たしかにCHICHIは自由奔放すぎるのですが、でも描くことは誰よりもすごいですよ。
酒への愛着心(笑)と描く時の集中力は異常ですね。
描く時は何日も人との接触を避けるので「死んだかも?」と何度も心配したことがありますよ!(笑)
◎ ブランドにこめた想いをがあれば教えてください。
(CHICHI) 想いはそれぞれの心の中にあるもの。スイマセン。ゴメンナサイ。
照れます。かっこいいコメントが出来ない。。。苦手です。。。。
元気で明るく健康にヤクザでありたいです(笑)。
◎ グラフィックの表現者としてウエアを選んだこだわりどころがあればお聞かせください。
(CHICHI) 実は私、10年ぐらい前に高円寺でN・Yを中心としたローカルデザイナーの商品を取り扱うSHOPを経営させて頂いてました。
その当時私も便乗させて頂きプリント物Tシャツのオリジナルを展開させて頂いていたのですが、あまり売れなくて。。。しかも潰れました。。。。そのリベンジです!!(笑)。
◎ ええ~?そうだったんですか~! 意外ですね。
(CHICHI) 境界線は年々あいまいになってきていますが、私はグラフィックのアーティストと云うよりもどちらかと云うとイラストレーターに近い位置に立っていると思います。
N・Yから帰国して最初に思った事。 N・Yファンの方々には失礼な発言かもしれませんが、デザインそのもののレベルはN・Yは東京に3年遅れをとっていると感じました。日本人のデザインを創造するレベルは世界トップクラス、ひよっとしたら世界一かも?しかもダントツにね?と私は思っています。
しかし、それに関する需要となると先進国の中でもおそらく最低レベルだろうと思います。とにかく日本国デザインにお金を出さない。週刊誌の挿し絵一枚描いて○千円じゃ衣食住は満たされないし、一個人のアーティストの絵なんて日本じゃ100円のポストカードしか売れない。
これがね。海外だと無名でもいい物にはお金を出してくれる。 N・Yで何回か個展したけど絵売れるもの。日本でも個展した時にも何枚か売れたけど、やっぱ外人さんが90%。。。。
私は純粋に描いて衣食住を満たしたかったからTシャツは手頃な価格だし少しばかり経験もあったし武器でした。
だから選択した。でも、競争相手が多い分、負けない様に何倍も努力しないといけない事にだいぶして気付いたのですが。。。(笑)
◎ そうだったんですか。ショップもがんばらないといけないですね。アートがなければ人生は楽しくなくなっちゃうと思って私もショップをやってますけどね。
ところでCHICHIさんはニューヨークに長く住まわれたということですが、価値的に大きく影響されたことはなんでしたか。
(CHICHI) 私は日本が大嫌いで逃げ出す様にこの国から飛び出しました。
だけど。。。。。
日本を離れた生活が長くなると、外側から見、客観視する事で、日本の良い所、悪い所をいろいろな意味で感じる事ができます。
それはデザインについても同じ事が云え、着物、浮世絵等を代表とし、和が持つ独自な色合いや深み、奥床しさや力強さはとてもすばらしく、改めて日本の伝統芸術の水準の高さを感じると共に、日本人である事の誇りさえ感じさせられました。
和のデザインは近年ブームとなりつつありますが、決して流行で終わらせる事のできない、とても奥深い芸術です。
8年間という時間の流れを、人種のルツボNEW YORKで過ごしました。私が体験し感じたNEW YORKカルチャーに、和のデザインを取り入れた、ジャパニーズサイケデリックを提案していければと思っています。
邪道に感じる方も多々いる事でしょうが、決してカルチャー破壊ではなく、新しい物を追求して行く姿勢でこれからも描きつづけて行こうと思っています。
日本は素敵な国です。それをニューヨークシティーは教えてくれました!
◎CHICHIさんが感じる日本人の美意識というとどんなところになりますか。
(CHICHI) 仕方が無いって感覚かなぁ~~~。
厳密に云うと違うけど、英語でI CAN'T HELP MEって奴。白と黒だけじゃ無い。YESにもYESじゃ無いNOがあり。 NOにもNOじゃないYESがある。
負けると解っていても戦う感覚。騙されると解っていても騙されてやると云う感覚。
『だって、仕方が無いじゃん』『まぁ~~いいじゃん。。。』って感覚。
今の若い世代には『ウザイ!一言ですませれてしまうのかも知れませんが?』 YESって云えない日本人で何が悪いよ!!って感覚。素敵だと思うよ!!
ごちゃごちゃしてるのを描いてる私が云うのもなんですが、WABISABI。
いらない物を限界まで削ぎ落として行く感じ、最終的にサークル一つで全てが表現できたらなぁ~と日々思っています。
でもね。きっとそれが出来ないから描き込むんだと思う。そして死ぬまで描きこんで行くんだと思う。
納得の行く丸が一つ描けるまで、永遠に。。。。。
Yはどう思う?
(Y)「日本人の美意識」ですか・・・難しい質問ですね。
「陰や少しの暗さを考え明るさよりもかげりを、光よりも闇との調和を重視するという事ですよね」
単純に昔からの日本家屋は、光と陰の調和を考えていますね。よくできていると思います。
何で言うのか、海外の人間からするとわかりずらいでしょうが、日本人同士が持つ"微妙なバランス"で成り立っている
会話や行動の「矛盾」ということですかね。
◎最後に一言。
(CHICHI) 8年~9年前になりますか。。。。私はパートナーであるY氏とバチカンにミケランジェロの『最後の審判』を観に行った事があります。
人が創造し描きあげた物が、こんなにも人間の心を動かすものなのか。。。。。。。
私は半泣きになりながら、心のどこかで『ごめんなさい。ごめんなさい。』と何度も悔い改めました。
私もこんな作品を描いてみたいものです。
VE-47。なんでもいい。一人りでも多くも人の心のどこかに波が起こせます様に!
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